漢方

漢方外来について

漢方

漢方外来とは、漢方薬を活用した治療を行う診療です。漢方薬には、人間が元から持っている「自然治癒力」を引き出しては臓器を活性化させ、免疫力を高めてあらゆる不調を改善させる力があります。
漢方薬をお悩みに合わせて使い分けることで、女性に多い不調を改善することが可能です。
それでは、多くの女性の悩みを改善させる漢方治療を、以下の項目で解説していきます。

更年期障害の漢方治療

更年期障害「更年期」とは、成熟期から老年期へ移り変わる一時期のことです。更年期に入ると卵巣の機能が低下し始めるため、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が少なくなります。
更年期の女性には「不定愁訴(ふていしゅうそ:あらゆる症状が現れているが、検査では異常が発見されない状態のこと)が現れやすいです。不定愁訴は漢方が得意とする症状であるため、更年期障害の治療では漢方薬がよく使われています。
更年期障害の治療では、女性ホルモンのバランスを整える効果を持つ、以下の漢方薬がよく用いられています。


  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

※加味逍遥散と当帰芍薬散、桂枝茯苓丸は「三大漢方婦人薬」と呼ばれている薬です。

更年期のこんな症状にこの漢方

めまいや貧血、冷え、頭が重い感覚が強い患者様に対しては「当帰芍薬散」を、イライラ、不眠などの精神症状や肩こりが強い患者様には「加味逍遙散」を服用していただきます。
また、多汗(汗が多量に出る状態)や重度の肩こりなどの症状が目立つ場合は、「桂枝茯苓丸」が効きやすく、イライラや興奮、のぼせ、便秘などの症状でお悩みの患者様には「桃核承気湯」が有効です。
特に、うつ気分や神経過敏、めまいなどの精神症状には、ホルモン補充療法より漢方薬の方が効果的なこともあります。

漢方による便秘改善

西洋薬を用いる治療以外の方法で対処することで、頑固な便秘が改善されるケースがあります。そのため便秘治療では、漢方を用いることもあります。漢方を用いた便秘治療には、以下のような特徴があります。

  • 体質を改善させて便秘を治す
  • 便秘以外の不調も改善されることがある。
  • ほとんどの場合、効果が出るまでに時間を要する

代表的な便秘治療のための漢方

  • 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
  • 桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
  • 大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
  • 大柴胡湯(だいさいことう)
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • 麻子仁丸(ましにんがん)
  • 大建中湯(だいけんちゅうとう)

便秘のセルフケア

バランスの取れた食事薬に頼りすぎないよう、生活習慣を見直して改善することも重要です。
食習慣を改善する、排便習慣を身につける、腹筋を鍛える、といった改善方法も行ってみましょう。